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青色申告の承認の取消し

2023年8月2日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №993 2023.8.2発行◆◇◆
 
 □□税務豆知識□□
<青色申告の承認の取消し>
 多くの法人は青色申告にて確定申告を行っているのではないでしょうか。国税庁によれば、法人税の青色申告普及率は90%を超えるそうです。青色申告を行うには、青色申告承認申請書を提出して税務署長の承認を受ける必要がありますが、一定の事由に該当した時には、その承認が取り消されてしまう場合があります。具体的には、帳簿書類の備付け等について税務署長の指示に従わない場合、隠蔽又は仮装があった場合、2事業年度連続して提出期限内に申告書を提出しない場合などがあります。
 この中で良く見かけるのは2事業年度連続で期限内に申告書を提出しない場合です。この場合、その2事業年度目以降の事業年度について青色申告が取り消されてしまいます。再度、青色申告を行うために承認申請書を提出する場合は、取消しの通知を受けてから1年以上経過しないと申請書を提出できません。3事業年度目に取消しの通知が届きますので4事業年度目にならないと申請書が提出できず、再度青色申告ができるのは5事業年度目からとなります。一度取り消されてしまうと、3事業年度は連続で青色申告ができないことになります。
 欠損金の繰越控除や繰戻し還付、少額減価償却資産の特例(中小事業者等)、各種税額控除の適用など青色申告のメリットは大きいですから、青色申告が取り消されないようにしたいですね。
 
 □□税金クイズ□□  
[問題]
 A社は今まで青色申告を行っていましたが、前期と今期2期連続で期限後申告になり、今期以降の青色申告が取り消されてしまいました。前期に欠損金が100万円発生し、今期は欠損金が80万円発生しています。翌期に繰り越せる欠損金はいくらになるでしょうか。
①前期と今期の合計180万円が繰り越せる
②前期分の100万円だけ繰り越せる
③青色申告が取り消されたので全て繰り越せず0円
 
 正解は一番下へ!↓↓↓ 
 
 □□キャッシュレス決済□□
 消費税率の引き上げに伴う需要平準化対策としてキャッシュレス・ポイント還元事業が行われたことをきっかけに、キャッシュレス決済を導入した事業者は多かったのではないでしょうか。また、非接触での決済が可能なことから新型コロナウイルス感染症対策の1つとしても推奨されてきました。最近では、既存のシステムをそのまま利用して、外国人観光客が自国で使用している決済手段と同じ方法によって決済できる仕組みが取り入れられてきていることから、キャッシュレス決済はますます重宝されてきていると聞きます。
 以前はコストや資金繰りの点がネックとなっていたイメージも少なからずあったような気がするのですが、広く普及してきた今となっては販売機会を増やす大きな武器となっているように感じます。経済産業省によれば、2022年のキャッシュレス決済比率は36%だったそうです。これが現金決済比率を上回るようになる日も遠くないかもしれませんね。
 
 □□税金クイズの解答□□
[正解]②
 欠損金が生じた事業年度において青色申告で確定申告書を提出していれば、その後の事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、その欠損金額については繰越控除の規定が適用されますので、前期に発生した欠損金は繰り越せます。
 
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☆今週号の編集責任者は 森正和 & 安田洋平 でした。
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