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所得金額調整控除

2020年10月19日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №902 2020.10.19発行◆◇◆

 □□税務豆知識□□
<所得金額調整控除>
 早いもので、今年も残すところあと2ヶ月程となりました。税務の世界では、12月に年末調整が始まり、年が変わって3月の確定申告が終了するまで、繁忙期が続きます。まずは最初にやってくる年末調整に向けて、今年の改正点などを確認していきたいところです。特に今年は所得税の改正点が多く、年末調整が大変複雑になることが予想されます。そこで今回のメルマガでは、今年より新たに適用される「所得金額調整控除」について解説したいと思います。
 令和2年度より、基礎控除および給与所得控除が引き下げられることとなりました。基礎控除は、令和元年まで全国民一律に38万円の控除が認められていましたが、今年から給与等の収入金額に応じて増減します。また、給与所得控除については、令和2年度より10万円以上引き下げられることになっています。これらの改正を総合すると、年収850万円を超える給与所得者は、増税となります。しかし、まだ学生の子供がいる家庭や、本人や配偶者が障害者である場合など、介護や子育てに関する費用負担が多い家庭にまで一律に税負担を増やすことは、少子高齢化問題が深刻化する日本において適切な税制改正とは考えられません。そこで新設されたのが、所得金額調整控除という制度なのです。
 具体的には、年収850万円を超える給与所得者で、下記の条件のいずれかに該当する場合に、この制度の適用があります。
・本人が特別障害者である場合
・23歳未満の扶養親族がいる場合
・特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
同制度の適用がある場合には、下記の算式により計算された金額が、給与所得から控除されます。
{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%=控除額※
 ※1円未満の端数があるときは、その端数を切り上げます。
この制度を年末調整において適用する場合には、勤務先の会社へ「所得金額調整控除額申告書」という書類を提出しなければなりません。
 ここ数年、毎年のように年末調整に関する制度が改正され、大変複雑化しています。申告書を記載する従業員はもちろんのこと、取りまとめる会社の経理部などへの負担も、相当なものになっていることが推測されます。今年はさらに複雑化していますが、正しい処理が行えるよう、早めに改正内容についてチェックし、適切な運用を心がけたいものです。

 □□税金クイズ□□  
[問題]
Aさん夫妻は、夫婦ともに年収900万円であり、15歳の長男を扶養しています。所得税の計算においては、長男は夫の扶養に入れて申告をしています。令和2年より新設された所得金額調整控除の適用があると考えられますが、その控除の適用を受けることができるのは、誰でしょうか。
①夫のみ受けることができる
②妻のみ受けることができる
③夫婦とも受けることができる
正解は一番下へ!↓↓↓ 

 □□衣替え□□
そろそろ秋の衣替えシーズンですね。実はこの「衣替え」は、中国の習慣だったものが日本に伝わり、それが宮中行事として平安時代頃から定着したといわれています。当時は「更衣(こうい)」と呼ばれ、中国に倣い、旧暦4月1日に冬装束から夏装束へ、10月1日に夏装束から冬装束へ着物を替えていたそうです。そして、明治時代に洋服が取り入れられると、新暦の6月1日に夏服へ、10月1日に冬服へと、年2回替える現代のスタイルが定着していったようです。最近の温暖化の影響で衣替えのタイミングに迷うときは、最高気温によって衣替えのタイミングを判断するのがよいかもしれません。
・25℃以上になると半袖などの夏物
・20℃くらいだと時期に合わせて春物、秋物、薄手の長袖、薄手のコートが必要
・15℃を目安にセーターやブーツ、厚手のコート
というように、最高気温と自分の体感に合わせて準備するといいようです。
衣替えの風習など、日本の行事・風習は非常に興味深いですが、衣替えが原因で体調を崩す人も少なくありません。冬の衣替えについては、インフルエンザ等も流行る時期ですから十分注意したいところですね。

□□税金クイズの解答□□
[正解]③
 所得金額調整控除は、扶養控除と異なり、同一生計内のいずれか一方のみの所得者に適用するという制限がありません。したがって、例えば、夫婦ともに給与等の収入金額が850万円を超えており、夫婦の間に1人の年齢23歳未満の扶養親族である子がいるような場合には、その夫婦双方が、この控除の適用を受けることができます。 

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