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所得拡大促進税制

2019年4月22日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №836 2019.4.22発行◆◇◆

 □□税務豆知識□□
<所得拡大促進税制>
 今回のメールマガジンでは、平成30年4月1日以降に始まる事業年度から適用が開始される中小企業向けの所得拡大促進税制についてご説明します。
 この制度は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たす場合に、その会社の国内雇用者に対する給与の増加額の15%相当額を法人税から控除できるという制度です。(ただし、法人税の20%相当額が上限となります。)
 その要件とは、「継続雇用者に対する給与が前事業年度対比で1.5%以上増加していること」です。この継続雇用者とは、次のすべてにあてはまる人をいいます。
(1)国内の事業所に所属して給与の支払いを受けている使用人であること
(2)前事業年度から適用事業年度までのすべての月において給与の支給を受けていること
(3)前事業年度から適用事業年度までのすべての期間において雇用保険の一般被保険者であること
(4)高年齢者雇用安定法に定める継続雇用制度の対象となっていないこと
 (1)にあるとおり、国外の事業所に所属している方や役員の方は継続雇用者に該当しません。また、(2)(3)にあるとおり、前事業年度から適用事業年度までの期間中に入社・退職・休職などをしたことにより給与の支払いを受けていない月がある方や、雇用保険の一般被保険者に該当しない期間がある方についても同様です。会社全体の給与支給額が増加していたとしても、その原因が継続雇用者に該当しない方への給与の増加によるところが大きい場合には、所得拡大促進税制の適用を受けることができない可能性があります。
 一般的には、この所得拡大促進税制の適用は平成31年3月決算法人からスタートします。従来の制度に比べて適用要件などが大きく変更されていますので、ご注意下さい。
 
 □□税金クイズ□□  
[問題]
内国法人A社が平成31年3月期の決算で所得拡大促進税制の適用を検討する際、継続雇用者に該当するのは次のうち誰でしょうか。なお、いずれも入社日は平成29年3月以前とします。
①平成30年4月に雇用保険の一般被保険者ではないアルバイトから正社員になったBさん
②平成30年12月に退職をした正社員Cさん
③平成30年12月から有給で休職している正社員Dさん
 
 正解は一番下へ!↓↓↓ 
 
 □□渋沢栄一□□
 今月9日、令和6年(2024年)に紙幣を刷新すると発表がありました。新一万円札に採用される人物は、「日本資本主義の父」とよばれる渋沢栄一です。渋沢栄一は、第一国立銀行(現みずほ銀行)をはじめ数多くの企業の経営に携わり、日本経済の礎を築いた偉人です。まさに新一万円札の顔に相応しい人物でしょう。
 近年は、2015年の国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を契機として、民間企業において、ビジネスを通じて社会的責任をまっとうし、社会的価値を創造する取り組みを推進する動きがあります。行き過ぎた資本主義を是正し、経済的価値と社会的価値の向上を両立していくことは喫緊のテーマといえますが、渋沢栄一は100年も前から「道徳経済合一説」を唱え、経済にとって道徳は不可欠であり、両立させることができると説き、実践してきたわけです。世界の流れが渋沢栄一に追いつき、日本政府も新紙幣の顔に抜擢することで、この意志を示したものと私は感じます。
 渋沢栄一著『論語と算盤(現代語訳)』には次のような記述があります。
 「福沢諭吉さんの言葉に、『書物を著したとしても、それを多数の人が読むようなものでなければ効率が薄い。著者は常に自分のことよりも、国家社会を利するという考えで筆をとらなければならない』といった意味のことがあったと記憶している。……実業界のこともまた、この理に外ならない。社会に多くの利益を与えるものでなければ、正しくまともな事業とはいえないのだ。」
 今回のニュースは、紙幣を刷新してもなお変わらない社会人としての在り方を考える良い機会となるのではないでしょうか。
 
 □□税金クイズの解答□□
[正解]③
平成29年4月から平成31年3月までの間に雇用保険の一般被保険者ではない期間があるBさん、給与の支給がない期間があるCさんは継続雇用者に該当しません。休職をしていたとしても、その間給与の支給がある場合には継続雇用者に該当します。
 
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☆今週号の編集責任者は 安田洋平 & 井戸川真也 でした。
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