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遺言の撤回

2017年6月26日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №743 2017.06.26発行◆◇◆

 □□税務豆知識□□
<遺言の撤回>
 年齢を重ねるに連れ、遺言書を残しておこうと考える方が増えているようです。しかし、財産をどのように分配するのかを決めることは容易ではありませんし、心変わりもするかもしれません。遺言書の書き方はよくよく調べたけれども、その撤回の仕方を知らなければおいそれと遺言書を書くことはできません。
 民法には、遺言の撤回の方法として大きく2つの規定があります。まず1つめは、新たな遺言書を作成する方法です。遺言書が複数存在する場合には、作成日付の新しい遺言書が効力を有し、旧遺言書のうち新遺言書と内容が抵触する部分については撤回されたとみなされます。ただし、この場合、新旧遺言書で抵触している内容の範囲について争いになる可能性がありますので、新しい遺言書に旧遺言書の撤回を明記しておく方が安心です。
 そして2つめは、遺言書を破棄する方法です。具体的な破棄の方法が規定されているわけではありませんが、一般的には焼却、切断、文字が判読できないほどに塗りつぶす等が該当するとされています。物理的な破棄は後々の争いも起こりにくく安心といえるでしょう。
 それでは、遺言書に赤ペンで斜線を引いた場合は撤回とみなされるでしょうか?赤ペンで斜線を引いたとしても文字が判読できないわけではないので、破棄したとはいえず、その遺言書は有効であるとする見解がありますが、最高裁では、一般的にいえば赤ペンで斜線を引く行為は破棄を意味するとして、当該遺言書は無効であると判決が下されました。
 しかしながら、撤回した遺言書を残しておくことは争いの種となり、自身が意図しない財産分与が行われてしまう可能性がありますし、間違った遺言書をもとに相続税の申告をしていた場合には、正しい遺言書をもとに相続税の申告をやり直さなければいけないこともありますので、注意が必要です。
 
 □□税金クイズ□□  
[問題]
 Aさんは5年前に遺言書を作成していましたが、財産状況が変わったこともあり遺言を撤回しようと考えています。撤回の方法として間違っているものは次のうちどれでしょうか。
①新しい遺言書に旧遺言書の撤回を明記する
②旧遺言書をシュレッダーにかける
③信頼できる友人に旧遺言書の撤回の意思を伝える
 
 正解は一番下へ!↓↓↓ 
 
 □□AIスピーカー□□
 先日アップルが、年内にAIスピーカー端末「ホームポッド」を発売すると発表しました。Google、Amazonに続きアップルがAIスピーカー市場に算入することで、より競争が激化していくことが予想されます。
 AIスピーカーとは、AI(人工知能)を有したスピーカーのことで、人間がスピーカーに話しかけるとその言語を理解し指示どおりの動作をするものです。音楽再生はもちろんのこと、天気や渋滞などの情報を尋ねれば教えてくれたり、設定をすれば家の照明や空調の調節をしたりと、まさに近未来的な機能を有しています。10年前、いや5年前まではこのような商品が市場に発売されるなど漫画や映画の世界のことだと考えていたように思いますので、やはり技術革新のスピードの速さには凄まじいものがあります。
 日本での発売は、Googleは年内、アップルは来年以降、Amazonは未定とのことですが、今から発売が待ち遠しいですね。
 
 □□税金クイズの解答□□
[正解]③
 遺言を撤回する方法には、大きく分けて新しい遺言書を作成する方法と破棄する方法があります。破棄は、一般的には物理的な破棄をいい、第三者に意思表示をするだけでは、遺言を撤回することはできません。
 
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☆今週号の編集責任者は 井戸川真也 & 須田裕行 でした。
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