相続税の納税資金 ｜ メールマガジン｜須田裕行税理士事務所

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン　№730　2017.03.27発行◆◇◆

　□□税務豆知識□□
＜相続税の納税資金＞
　先日国税庁が、平成27年分の相続税の申告状況について発表を行いました。相続税については、平成27年度より基礎控除が引き下げられており、申告義務者が増加することが見込まれていましたが、やはりその予想どおり、前年対比で約2倍の103,043人となったようです。以前よりも、相続税は身近なものになっています。
　いざ相続が発生して税金の計算をしてみたら、納税資金が不足して相続税が納付できないというケースは決して少なくありません。その場合には、①延納、②物納、③不動産を売却して現金化する、④銀行融資を受ける、という4つの対応方法が考えられます。①延納、②物納はいずれも相続税法で定められた納税方法であり、延納は分割納付、物納は相続財産の中から現金以外の物で納付する方法です。しかし、延納は利息が高かったり、物納は財産価値としての評価額が安くなりがちであったりと、あまり納税者にとって有利な方法ではありません。③の場合には、その所有している不動産が先祖代々引き継いできたようなものである場合、購入価額が不明またはとても安い価額で購入しているため、売却金額のほとんどが利益となり、莫大な譲渡所得税の納税を伴うことがあります。また、売買が成立するまでに時間を要するケースも多く、納期限に間に合うという保証もありません。以上のことから、一般的には④銀行融資を受ける方が多いように思います。
　相続税の納期限は、相続が発生してから10ヶ月以内です。相続が起きてから資金繰りに困ることのないよう、事前に納税額の把握、納税資金の準備を行うことが重要です。

　□□税金クイズ□□　　
［問題］
　Aさんは実家で相続があり、納税資金1,000万円を用意しなければなりません。しかし、現在手持ち資金は200万円ほどしかなく、銀行へかけあったところ担保財産がないため融資を断られてしまいました。納期限までに納税できそうにないため、税務署へ相談しようかと考えています。税務署はどのような対応をしてくれるでしょうか。
①身ぐるみを剥がされる
②近隣の金融機関の融資担当窓口を紹介してくれる
③延納、物納などの制度を案内してくれる

　正解は一番下へ！↓↓↓　
　
　□□ＷＢＣイスラエル□□
　先日まで開催されていたワールド･ベースボール･クラシック(ＷＢＣ)は、アメリカの初優勝で幕を閉じました。侍ジャパンはそのアメリカに惜しくも準決勝で敗戦してしまいましたが、今回は日本の戦いと同じくらい、イスラエルの活躍が印象に残りました。
　イスラエルは、現在世界ランク41位ですが、1次ラウンドで韓国、台湾、オランダを撃破し、3戦全勝で2次ラウンドに進出しました。2次ラウンド初戦でキューバに勝利したときは、日本も相当苦戦するのではと予想しました。結果は日本が勝ち、2次ラウンドで敗退となりましたが、イスラエルの野球が強烈な印象を与えたことは間違いありません。大会後には、投手のザイド選手がベストナインに選出されています。　
　イスラエルという国は、政治的なニュースで取り上げられることが多く、スポーツが盛んなイメージはありません。しかし、イスラエルにも野球リーグがあり、約2,000～3,000人の競技人口がいるといわれています。ただし、今回のＷＢＣのメンバーは、そのほとんどがアメリカのリーグに所属するアメリカ人とのこと。イスラエルの永住資格を持っていたり、親がイスラエルの国籍を持っていたりすれば、代表として出場できるそうです。
　ＷＢＣのルールに賛否もあるかと思いますが、ラグビーにも同じようなルールがあり、私は先のワールドカップでの日本代表の活躍を鮮明に記憶しています。これからもそういったルールにとらわれず、スポーツ観戦を楽しみたいと思います。

　□□税金クイズの解答□□
［正解］③
　相続税の納付が納期限に間に合わない場合には、必ず事前に所轄の税務署へ相談しましょう。延納、物納などの現金一括納付以外の納税方法を案内してもらえます。

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