ページの先頭です

メールマガジン

メールマガジン

ホーム > メルマガトップ > 相続税の納税資金が足りない場合

相続税の納税資金が足りない場合

2015年10月26日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №00659 2015.10.26発行◆◇◆
 
 □□税務豆知識□□
<相続税の納税資金が足りない場合>
 相続税は、相続発生の翌日から10ヶ月以内に申告と納税を行わなければなりません。もし相続税額が多額になり、期限内に納税することができない場合は、どうすれば良いでしょうか。
 まずは、相続税法上の「延納」による分割での納税を検討しましょう。ただし延納の規定の適用を受ける場合には、下記の4要件を満たしている必要があります。
①申告期限までに相続税の申告書を提出していること
②相続税額が10万円を超えること
③金銭で納付をすることが困難であること
④延納を受ける金額に相当する担保を提供すること
 延納の適用を受けた場合には利子税を負担しなければなりませんが、適用となる利子税の割合は相続財産の種類や割合に応じて変動します。したがって、金融機関からの融資を受けることができる場合には、金融機関の借入利率と延納の利子税の割合とを比較して、いずれか有利な方を選択するのがよいでしょう。なお、金融機関で融資を受ける場合には、抵当権を設定することが多いと思いますが、この際の抵当権設定費用は自分で負担しなければなりません。しかし、延納の適用を受ける場合には、担保の設定に関する費用の負担はありません。この点も踏まえて、いずれの方法が有利なのかを判断するのがよろしいと思います。
 次に、延納の適用要件に該当しない場合には、相続財産で相続税を納める「物納」を検討します。物納の適用を受ける場合には、以下の4要件を満たしている必要があります。
①延納によっても金銭で納付をすることが困難であること
②物納に充てる財産として、一定の財産が相続財産のうちにあること
③物納に充てる財産が、物納に不適格な財産でないこと
④相続税の納期限までに、物納申請書を税務署へ提出していること
 ②の物納に充てることができる財産は、その優先順位が定められており、以下の順番で物納をすることになります。
第一順位:国債、地方債、不動産、船舶
第二順位:社債、株式、証券投資信託等の受益証券
第三順位:動産
 たとえば相続により不動産と社債を相続した場合において、社債を物納に充てたいと考えても、不動産のほうが優先順位が高いため、不動産を物納に充てなければなりません。また、物納する財産の価額は、相続税の計算上のその財産の価額となります。土地の相続税法上の評価額は、一般的に売買される価額に比べて1~2割ほど低い金額となることが多いと言われていますから、不動産を物納に充てる場合には注意が必要です。
 相続が発生すると、遺産の整理や分割協議など、同時並行でいろいろなことを進めなければなりません。相続税の申告がまとまった時に納税資金に困ることのないよう、納税資金は早めに準備することをおすすめします。
 
 □□税金クイズ□□
[問題]
相続税の納税資金に困ったAさんは、延納の適用を受けることを検討しています。納付しなければならない相続税額は3000万円で、Aさんの所有財産は現金が500万円、株が8000万円あります。株を売却すれば納税資金を捻出することができますが、Aさんの所有している株は大きな含み損があるため、株を処分せずに延納の適用を受けたいと考えています。Aさんは延納の適用を受けることはできるのでしょうか。
①できる
②できない
 正解は一番下へ!↓↓↓ 
 
 □□ETC2.0□□
 そろそろ全国各地で紅葉のシーズンが到来しますね。ゴルフをするのにも、温泉に行くにも、ちょうどいい穏やかな秋晴れの日が多くなってきたように思います。楽しいイベントへ車で出かける際に気になることの1つが交通渋滞です。いつになったら目的地につくのかわからない。この状況を想像するだけで外出が億劫になってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。先月、私は熱海に行ってきたのですが、やはり渋滞に巻き込まれてしまいました。
 交通渋滞の解消に関する話題で、ETC2.0という言葉をよく耳にするようになった気がします。ETC2.0とは、高速道路に設置されているITSスポットというアンテナのようなもので道路交通情報を収集し、対応車載器を搭載した車両に対してリアルタイムに発信することで様々なサービスを提供する仕組みのことです。これによって交通が特定の時間帯や場所に集中してしまう事態を緩和できるそうです。また、このシステムを利用して渋滞を迂回する経路を走行したドライバーを優遇する制度の導入が検討されていたり、現在は時速20km以下の速度制限があるETCレーンのゲートバー廃止による通行速度アップも予定されています。
 これらがきちんと機能して移動にかかる時間が減少すれば、もっと気軽に外出できるようになりますね。余暇についてだけでなく、交通渋滞は日本にとって大きな損失をもたらしているそうですから、少しでも早く解消することを願っています。

 □□税金クイズの解答□□
[正解]②できない
 延納の適用を受けることができるのは、金銭で納付することが困難な状況であることが条件となっています。株式等の有価証券は換金性が高いため、株式を保有している場合には、現金預金の残高が納税額に足りないとしても、金銭で納付することが困難な状況であるとは認められません。
 
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 須田裕行 & 安田洋平 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
 http://www.suda.gr.jp です。
☆アドレスの変更や配信中止については下記のアドレスまでご一報お願いします。
mail@suda.gr.jp
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

ページの先頭へ