ページの先頭です

メールマガジン

メールマガジン

ホーム > メルマガトップ > 減資による節税

減資による節税

2015年9月7日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №00653 2015.09.7発行◆◇◆

 □□税務豆知識□□
<減資による節税>
 先週、関西のお笑いで有名なY社が資本金を125億円から1億円に減資しました。液晶で有名なS社も今年5月に1200億円の資本金を1億円に減資しようとしましたが、各方面からの批判により断念しました。これらの企業は自社に累積した赤字の解消を目的として、減資という手法を選択したようですが、なぜ資本金を1億円にする必要があったのでしょうか?
 税務上、資本金1億円以下の企業は中小企業と位置付けられ、各種の優遇措置が設けられています。
 優遇措置の例をいくつか挙げると、中小企業でお馴染みの30万円未満の少額減価償却資産を即時に損金にできる特例や、交際費として支出した金額のうち800万円まで全額損金として控除できる制度、過去に生じた赤字を発生年の翌年から9年間を限度として、その全額を将来の利益と相殺できる繰越控除など多数の措置が講じられています。
 資本金が1億円を超える企業では、これらの特例による恩恵を殆ど受けることが出来ません。
 マスコミ報道では、前述の2社がこれらの恩恵を受けるために資本金を1億円に減少させるという選択を考えたのではないかと話題になりました。
 S社がいわゆる大企業のままであれば、過年度からの赤字の繰り越しが2000億円あって、当期に2000億円の利益が出た場合、控除できる赤字は1300億円と制限され、赤字を差し引いた700億円に法人税が課税されることになります。これが中小企業であれば繰り越された赤字の全額が控除され、法人税の課税対象となる所得は生じません。このようなことから、これら企業の減資が節税目的だとする声が上がったのかもしれません。
 節税という面では、確かにご紹介した2社の手法も悪いとはいえませんが、それだけ内情が厳しいということの表れかもしれませんね。
 
 □□税金クイズ□□  
[問題]
 資本金10億円のA社が赤字の穴埋めのために減資をして資本金を1億円にした場合に、税負担が変わらないものは次のうちどれでしょう。
①法人事業税
②消費税
③法人住民税

正解は一番下へ!↓↓↓ 

 □□お月見□□
夏の暑さも和らぎ、夜になれば秋の虫の音が聞こえる季節となりました。そして、今年もお月見シーズンがやってきました。お月見の起源について正確なことは分かっていませんが、有力な説としては、もともと中国でかなり古くから「望月(月を見る催し)」という行事があり、それが奈良~平安時代に遣唐使によって伝えられたものが日本で広がったとする説が有力だそうです。
十五夜の「中秋の名月」に対し、十三夜は「名残の月」と呼ばれていいます。十三夜は、中国にはなく、日本のみの行事で十五夜に次いで美しい月とされ、日本でお月見は両方を行うのがしきたりでした。片方だけを観賞するのは片見月(かたみつき)と呼ばれ、縁起が悪いとして避けられていたそうです。
さて、このお月見ですが、茶道でも日本独特の楽しみ方があります。『見立て』です。この『見立て』とは物がもっているイメージ、焼き物がもっている意味、書がもっているストーリー、そういったものすべてをクイズのようにあわせていくことをいいます。昔の茶人は月見をテーマに茶道具をしつらえて、お月見を楽しんでいたそうです。
何げなく夜空を見上げて綺麗なお月様が見えると、何故かうれしい気持ちになりますね。 たまには昔の人たちのように、月を眺めながら秋の風物詩を味わい、秋の夜長を楽しんでみるというのはいかがでしょうか。

□□税金クイズの解答□□
[正解]②
 ①は資本金1億円超の法人を対象とした外形標準課税の対象から外れるため税負担が減少します。③は法人住民税均等割りの税率が1段階下がるため税負担が減少します。②については資本金の増減によって変わることはありません。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 中原敬和 & 宮下菜保子 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
 http://www.suda.gr.jp です。
☆アドレスの変更や配信中止については下記のアドレスまでご一報お願いします。
mail@suda.gr.jp
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

ページの先頭へ