貸付金と相続税 ｜ メールマガジン｜須田裕行税理士事務所

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №00639　2015.06.01発行◆◇◆

　□□税務豆知識□□
＜貸付金と相続税＞
　会社を経営していると、資金繰りのために社長が自社へ貸付金という形でお金を出すことは中小企業でよくあります。
　貸したお金が戻ってくれば良いのですが、ほとんどの場合は、ある時払いの催促なしといった、半ば回収を諦めた債権になっていることが少なくありません。
　この貸付金等の債権、相続税では返済を受けるべき元本の価額と相続発生時において支払いを受けるべき利息の金額を相続財産の価額とすることとされています。
　回収を諦めていた債権が自身の相続財産に加算され、家族が納税で悩むことになるなど殆どの方が想定していないのではないでしょうか。
　もちろん、貸付先の債務者が手形交換所の取引停止処分を受けたり、破産宣告を受けたりと債権回収が不能又は著しく困難と見込まれるときは、その元本等の金額は相続財産に含める必要はありません。しかし、相続発生時において債務者が赤字ながらも存続し、事業が継続されているのであれば、債権回収が困難な状態と説明できる根拠がなければ、貸付金等が相続財産になることは避けられないでしょう。
　このような回収を諦めている貸付金等の債権については、生前に債権放棄手続きをすることで、無用な相続税の納税を避けることができますので、多額の貸付金がある方は一度ご検討される価値はあると思います。その際、債務者である相手方において、債務を免除されたことによる利益を計上することになりますので、相手方に納税が発生する可能性があります。

　□□税金クイズ□□　　
［問題］
　Aさんは、取引先に1,000万円を貸していましたが、債権者集会の協議により、この貸付金のうち500万円が切り捨てられ、残りは10年間の年賦払で返済を受けることになりました。仮に1回目の返済を受ける前にAさんが亡くなった場合、返済を受けるはずだった500万円全額を相続財産に含めなければなりませんか。
①含めなければならない
②一部含めなくてよい
正解は一番下へ！↓↓↓　

　□□お祭り□□
桜も散り季節はすっかり初夏を向かえ、初夏から秋に向けて様々なイベントやお祭りが開催されます。江戸の守り神である神田明神の祭り、日枝神社の山王祭り、浅草神社の三社祭りとあわせて、江戸三大祭りといわれています。山王祭りと神田祭りは江戸城内まで繰り込むことが許されたため「天下祭り」「御用祭り」とも呼ばれています。今年の神田明神の祭りはご遷座400年奉祝大祭ということで、例年よりも盛大に行われました。また、人気アニメ「ラブプラス」とのコラボレーションも話題となったようです。アニメとのタイアップには賛否両論あったようですが、その時その時人気者に乗っかるのも悪くないという声がやや優勢だったようです。これまで祭りには縁遠かった若者層や外国人観光客の集客にも繋がったとのことです。
三大祭り以外にもユニークなお祭りとしては赤羽馬鹿祭りというのも5/9・10に開催されました。赤羽馬鹿祭りとは東京都北区赤羽で毎年行われるお祭りで今年は第60回の記念大会でした。1956年に地元の商店主達が4月のエイプリルフールにちなんで開催したのが始まりで、初期は参加商店主が何かに扮装するお祭りだったそうですが、現在はJR赤羽駅周辺の4会場で行われ、音楽ライブやダンスなどのステージ、戦隊ヒーローショー、フリーマーケットなどが催されました。なかでも、2日目の大規模なパレードは圧巻で学生や社会人の十数クラブ約1,000人の音楽隊を先頭に、バカロック踊りと仮装隊11団体約400人、江戸神輿7基を約2,800人で担ぐ総勢4,200人がJR赤羽駅東口前通りを練り歩いたそうです。
このように東京には伝統的なお祭りはもちろん、その街その街にあわせた様々なお祭りが催されます。特に今年は外国人観光客の姿も目立ったようです。これから東京オリンピックに向けてますます増加することが予想される外国人観光客にも親しんでもらえると、お祭り自体も一つの観光資源にもなるかもしれませんね。

□□税金クイズの解答□□
［正解］②
　債権者集会の決定により年賦払等で返済されることとなった債権のうち、相続発生後5年を超えて返済される部分については、貸付金の評価において元本の価額に算入しないこととされています。本問の場合、500万円÷10年×(10年－5年)＝250万円は、相続発生後5年を超えて返済される部分になりますので、250万円は相続財産に含めなくてよいことになります。
　
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☆今週号の編集責任者は 中原敬和　 ＆　宮下菜保子　でした。
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