中小法人課税の見直し ｜ メールマガジン｜須田裕行税理士事務所

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №00596　2014.07.22発行◆◇◆

　□□税務豆知識□□
＜中小法人課税の見直し＞
　今週も先週に引き続き法人税の実効税率の引き下げに関する話題をお届けします。実効税率の引き下げに伴う税収の減少を補うため、課税ベースを拡大し、広く薄く税負担を求めていく方向で検討されていますが、その課税ベースの拡大策の1つとして議論されている中小法人課税の見直しについて取り上げたいと思います。
　法人税法上、中小法人とは資本金１億円以下の企業(ただし大法人の100％子会社などは除かれる。)と定義され、中小法人は様々な税制優遇措置を受けることができます。具体的には、年800万円以下の所得に対しては法人税率が25.5％から15％に軽減されたり、交際費について年800万円までは損金として認められるなどの措置が挙げられますが、これらの優遇を受けることができる中小法人の数は、全法人の実に99％にも上ります。しかしながら、同じ所得金額であっても、資本金の額が異なることで納める税額が変わるのは不公平ではないかという見解もあり、実際に会計検査院からは、多額の所得を得ながら中小企業向け優遇措置を適用している企業が存在していることについて指摘を受けています。そのため、中小法人の定義を見直し、優遇措置は真に支援が必要な企業に対象を絞り込む方向で意見がまとめられたようです。資本金を基準にしている中小法人の判定方法が妥当なのか、資本金を基準にした場合でも1億円という水準が適切なのか、現在はほとんどの企業が該当する中小法人だけに注目度は高いといえます。
　
　□□税金クイズ□□　　
［問題］中小法人に対する法人税の優遇措置として正しいものはどれでしょう。
①年1,000万円以下の所得に対しては法人税率が25.5％から15％に軽減される。
②交際費のうち年800万円までは損金として認められる。

正解は一番下へ！↓↓↓　

　□□全国高校野球選手権大会□□
　各地で全国高校野球選手権大会の地方大会が行われていますね。早いところで北海道と沖縄では先月から開催されていましたが、高知県や福井県ではまだ先週に第1回戦が始まったばかりです。
　今年の地方大会には約4,000の高校が参加しており、47都道府県で予選を戦っています。各都道府県から代表校が選出されますが、その数は全部で49校になります。北海道は北北海道と南北海道、東京都は東東京と西東京の2つのブロックに分かれているからです。この2つの地区は出場校が多く今大会も北海道は225校、東京都は265校となっています。しかし、神奈川県の190校、愛知県の189校、大阪府の180校など、北海道や東京都に次ぐ参加数の都道府県からは1校しか本戦に進出できないため、これらの地域は毎年激戦区になっています。
　1915年に行われた第1回大会から今年で96回目を数えますが、毎年のように甲子園で名前を見かける常連校があります。調べてみると、長野県の松商学園高等学校と北海道の北海高等学校はなんと35回の出場を誇っていました。3年に1度以上の割合で地方大会を勝ち進んでいることになります。また、優勝についてですが、47都道府県のうち半分近い20の都道府県はまだ優勝経験がありません。最も優勝回数が多いのは大阪府の11回、次いで愛知県の8回となっています。その愛知県では8回の優勝のうち7回が中京大学附属中京高等学校によるもので、これが最多記録となっています。
　今月末には全ての代表校が決まります。本選は阪神甲子園球場で8月9日から14日間にわたって行われる予定です。私も高校生活3年間のほとんどを野球をして過ごしたので、球児たちが一生懸命に野球をしている姿を見て毎年感動しています。今年はどんなドラマを見せてくれるのでしょうか。

□□税金クイズの解答□□
［正解］②
　中小法人の法人税率が軽減されるのは年800万円以下の所得に対してとなります。また、交際費については、平成26年4月1日以後に開始する事業年度より、交際費のうち接待飲食費用の50％相当額と年800万円のどちらか大きい金額を損金に算入することができるようになりました。

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☆今週号の編集責任者は　井戸川真也 ＆　安田洋平　でした。
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