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老人ホームの入居一時金

2014年2月17日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン №00575 2014.02.17発行◆◇◆

 □□税務豆知識□□
<老人ホームの入居一時金>
 今回は、老人ホームの入居一時金を支払った際の、税務上の取扱いについてです。近年は、老後の人生設計において、老人ホームへの入所を選択肢の一つとされる方が多くなってきたように思います。以前よりも老人ホームの形態自体が多様化し、老人ホームといえど高級リゾート施設のようなものなどもできているようです。こういった多様化により、以前よりもホームへ入所することに対する抵抗感がなくなってきているのかもしれませんね。
 老人ホームへの入居に際しては、多くの場合において入居時に入居一時金の支払を求められます。入居一時金とは、その後何年間かの居住費・介護料などを前金として支払うものです。本来は入居者本人が負担すべきものですが、入居者以外の方が一時金をご負担なさるというケースは決して少なくないように思います。これは「贈与」には該当しないのでしょうか?
 贈与税にはいくつかの非課税項目が設けられており、その中の一つとして生活費があります。すなわち、上記のケースで言えば、下記のように考えることができます。
①相手に返済を求めないつもりで入居一時金を支払ったのだから、そこに贈与の意思があったと認められる。
②しかしその贈与は、扶養義務者相互間において生活費に充てるためにした通常必要と認められるものであるから、非課税として取り扱う。
これは平成22年11月19日の国税不服審判所の裁決によるものですが、たとえば高級老人ホームに入居した場合はどうか、など、②に記載されている「通常必要と認められるもの」の範囲がどういったものであるかについては明確になっていません。老人ホームの一般的な相場を基準に判断することになるものと思われますが、あまり高額なものは通常必要と認められないとして、贈与税が課税される可能性があります。
 また、入居者以外の方が一時金を支払ったからといって、ただちに贈与があったと見るべきではない、という見方もあります。東京高裁平成9年6月30日の判決によれば、入居者の死亡後、老人ホームへの返還金の請求権は一時金を支払った者へ帰属するという判決が出ているのです。この考え方に沿えば、そもそもが贈与ではなく貸借であったと考えられますから、贈与税の課税問題は生じないことになります。
 いずれにしても、入居一時金を入居者以外の方が負担した場合の税務上の取り扱いについて、明確な指針が出ていないのが現状です。ご検討されている方は、一度税務署・専門家へご相談されることをお勧めします。

※参考文献 「有料老人ホームの入居一時金に対する相続税法上の問題について」

http://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/backnumber/journal/19/pdf/04.pdf

 □□税金クイズ□□  
[問題]
 Aさんは、フィットネスルームやプールなどがついている高級老人ホームへ入居しました。入居時に必要となった入居一時金は1億5千万円でしたが、これはAさんの夫が負担してくれました。贈与税は課税されるでしょうか?なお、Aさんはホームへの入居時の健康状態は良好、介護が必要な状況ではありませんでした。
①される
②されない

正解は一番下へ!↓↓↓ 

 □□日本スノーボード陣の躍進□□
 現在開催中のソチ五輪では、メダルを期待された多くの選手がもう少しのところで残念な結果に終わってしまっているという印象を受けています。しかし、スノーボード競技のハーフパイプにおいて10代の平野選手と平岡選手が、スノーボード種目としては初めてメダルを獲得するなど大きな活躍を見せてくれました。
 スノーボード競技がオリンピックに加えられたのは1998年の長野オリンピックからで、まずハーフパイプと大回転が実施されました。そして今回のオリンピックでは、スロープスタイルが初めて採用されるなど計5種目が実施されています。今回、日本では注目のスノーボード選手が多かったため、ほとんどの種目でテレビ中継がされており、個人的にも真剣に観戦をしてしまいました。
 徐々に種目数が増えているスノーボード競技ですが、今回初めて実施されたスロープスタイルでは非常に難易度の高いコース設定がされていたようで、怪我人が続出していたことが気になりました。また、その採点方法についても選手から疑問の声が上がるなど、今後の改善が望まれる種目です。
 スノーボード競技は、出場選手を見ると北米中心のスポーツという感じがしますが、今後は世界各国にその競技人口は広がっていくものと思われます。ソチ五輪での日本選手の活躍を機に日本のお家芸と呼ばれるぐらいのスポーツになると、冬のオリンピック観戦がもっと楽しくなるのではないでしょうか。
 
□□税金クイズの解答□□
[正解]①される
 これは平成23年6月10日の判例に基づくものです。税務豆知識内でご紹介した平成22年の判例とは真逆の結果が出ています。各判例は判断材料とはなりますが、実際には契約内容や老人ホームの形態など、様々な要素を複合的に見て判断されます。一時金のご負担をされる際は、贈与税課税の対象とならないようご注意ください。
 
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