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グループ法人間における寄附金の取扱い

2011年8月15日発行

◆◇◆須田会計事務所メールマガジン   №00450 2011.08.15発行◆◇◆

 □□税務豆知識□□
<100%グループ法人間での寄附金>
 ご存じの方も多いと思いますが、平成22年度税制改正においてグループ法人税制が創設されました。これは、企業グループの一体的な経営に着目して、100%支配関係にある法人間の取引について様々な課税上の措置を設けたものです。その中の一つに100%グループ法人間での寄附金に関するものがあります。
 これは寄附金を支出した法人側においてその支出した寄附金の全額を損金不算入とするとともに、寄附を受けた法人側においても全額益金不算入とする取扱いであり、企業グループ全体として税金を納める必要がないという規定です。
 この時注意しなければならないのは、この規定はあくまで法人によって支配されている100%支配グループ内についてのみ適用があるということです。
 個人によって支配されている100%支配グループ内の寄附金については、このような規定はありません。なぜでしょうか。以下、具体的な例を使って考えてみたいと思います。
 ある資産家の甲氏が、息子である乙氏に対して従来から保有していた現金1億円を贈与したとします。当然この場合には財産を受け取った乙氏には贈与税が課税されます。贈与税はかなり高い税率が適用されるため、乙氏は高額な税金を払うことになります。そこで甲氏は贈与税の納税を免れるために、グループ法人税制の適用を受けることを思いつきました。
 具体的には甲氏、乙氏が各々100%を出資してA社、B社を設立し、その上でA社からB社へ現金を寄附という形で移転させようと考えました。甲氏は上述にあるグループ法人間の寄附金の規定の適用を受けることによる節税対策として有効な手段だと考えたわけです。
 しかし、甲氏が行ったこのような取引形態を認めてしまうと、国としては贈与税、法人税の両方を課税できないということになってしまいます。すなわち、納税者の租税回避行為を認めてしまうことになるわけです。
 そのため、グループ法人間での寄附金の取扱いについては、親族などの個人によって100%支配されているグループ法人間においては認められないこととなっています。
 甲氏のような考え方で相続・贈与税対策を検討されていた方はくれぐれもご注意ください。
 
  □□税金クイズ□□  
[問題]
  連結納税制度は納税者が任意に選択できる制度ですが、グループ法人税制も同様に納税者が任意で選択できる制度でしょうか。
①できる
②できない

  正解は一番下へ!↓↓↓ 

 □□石垣山一夜城歴史公園□□
 小田原にある石垣山城をご存知でしょうか。一夜城、と言えばピンとくる方は多いはずです。今回はこの石垣城跡がある石垣山一夜城歴史公園をご紹介します。
  時は1590年、当時小田原城を守っていた北条氏を討たんとする豊臣秀吉が建てたのがこの石垣城です。一夜城と呼ばれる所以は、小田原城から見えないように築き、完成後に木を伐採したため、小田原城からはあたかも一夜にして城が築かれたように思わせたことに由来しています。知略に富んだと言われる秀吉ならではの発想なのでしょうね。
  残念ながら石垣山城は残っていませんが、現在は公園として整備され、山頂付近からの雄大な景色を楽しむことができます。都内からの日帰り旅行にはちょうどいい距離です。夏休みに一度訪れてみてはいかがでしょうか。山のふもと、小田原港付近にはおいしいアジもありますよ!

  □□税金クイズの解答□□
[正解]②
 グループ法人税制はあくまでグループ内の各法人への単体課税でありながら、グループ内の取引について企業グループの実態に即した課税を行うという制度です。連結納税制度とは異なり、100%グループ内の法人間の取引等については強制適用されます。
 
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☆今週号の編集責任者は 宮元健志 & 須田裕行 でした。
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