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所得の金額

2011年1月17日発行

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   須田会計事務所メールマガジン          №00421   2011.01.17発行
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 □□今週の一言□□
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 去年の年末、私(宮元)は実家へ帰省してきましたが、事前の天気予報によると私の故郷である富
山はもの凄い大雪になるとの予測だったのですごく不安でした。ただ意外にも雪が少なく、天候も
ずっと晴れていたのでとても過ごしやすく、心身共にリラックスできた帰省となりました。やっぱ
り故郷があるっていいですね。

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 □□税務豆知識□□
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<所得の金額>
 突然ですが、法人税は何を基に計算されると思いますか?一般的には会計上の利益だと思われが
ちですが、厳密には異なります。
 法人税法第21条では、「法人税の課税標準は各事業年度の所得の金額とする」と規定されており、
さらに法人税法第22条1項において「各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額からその
事業年度の損金の額を控除した金額とする」と規定されています。
 つまり、会社上は収益-費用=利益となりますが、法人税法上では益金-損金=所得金額とな
り、その所得金額に一定の税率を乗じて法人税額を計算します。
 一見、会社上の利益と法人税法上の所得は同じように見えますが、完全に一致することはありま
せん。収益と益金、費用と損金はそれぞれ基本的には同じですが、その範囲が若干異なるため、会
計上の利益と法人税法上の所得に差異が生じるわけです。ここに法人税法の根幹となる基本的な考
え方が存在しています。
 法人税法上、益金の額若しくは損金の額に該当するかしないかは「算入」、または「不算入」という
言い方で表現されるため、以下の4項目の差異が考えられます。
①会計上、収益となるが、税法上、益金にはならない。(益金不算入)
②会計上、費用となるが、税法上、損金にはならない。(損金不算入)
③会計上、収益にはならないが、税法上、益金となる。(益金算入)
④会計上、費用にはならないが、税法上、損金となる。(損金算入)
 ①~④の具体例としては、次の項目が挙げられます。
①受取配当金、税金の還付金額
②交際費、寄附金、役員報酬
③貸倒引当金の取り崩し額
④欠損金の繰越控除
 すなわち、株主総会等の決議を経て作成された貸借対照表や損益計算書に基づいて計算された会
社上の確定した利益にこの4つの差異項目を加算、減算すること(これを申告調整という)により法
人税法上の所得金額が計算されます。
 具体的に数字を使って考えてみると、仮に会社上の収益が1,000円で費用が500円だった場合の利
益は500円となりますが、この会計上の費用500円の中には法人税法上、損金として認められない
100円が含まれていたとします。その場合、法人税法上の所得は1,000円-400円=600円となり、結
果として会社上の利益の方が税法上の所得よりも100円少なくなりますよね。
 ここまでの内容を算式で表すと以下の通りです。
会社上の利益=1,000円-500円=500円
税法上の所得=1,000円-400円=600円
 前半で述べた通り、法人税額は税法上の所得金額をベースに計算されるため、会社上の利益500
円に100円を加算することで法人税法上の所得金額である600円と一致させるという調整が必要にな
ります。これが上記の例でいう、②の損金不算入項目に該当します。
 我々がお客様との決算打ち合わせの際にご提示させていただく資料の中には別表四というものが
あるのですが、その資料がまさにこの計算過程を示している書類というわけです。
 もちろん今説明した項目以外にも多くの複雑な申告調整項目が存在するため、ただ法人税の納税
額がいくらになったのかという事実だけをお客様に伝えるのではなく、その法人税額がどのような
申告調整を経て計算されているのかを少しでもお客様に分かりやすく説明できるよう、私自身、
日々心掛けていきたいと思います。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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<グルーポン>
 私(中原)は、時々インターネットの通販サイトで雑貨などを購入することがあるのですが、サイ
トの中には商品を複数の人数で大量購入することで、値段が格安になる共同購入もあり大変助かっ
ています。
 この共同購入と同様の仕組みで、グルーポンというものを皆さんご存じでしょうか?
 グルーポン(グループとクーポンを掛け合わせた言葉です)とは、2008年にアメリカでサービス提
供が開始され、飲食店や宿泊施設などで利用できる割引クーポンを共同購入形式で販売するもの
で、その気軽さとお得感から人気に火がついて急成長しているものです。
 グルーポンで提供されているクーポンには取引成立人数が設定されていて、設定人数に達してい
ない場合には、ユーザーは欲しいクーポンを購入することができません。そのため、ユーザー自身
がツイッターなどのメディアを活用して、広範囲の人に呼びかけて購入希望者を集め、お目当ての
クーポンを手に入れようとします。
 このユーザーの口コミが企業の良い宣伝になるため、クーポンを提供する企業側、購入するユー
ザー側、それぞれにメリットがあるのが急成長している要因のようです。
 ただ、良いことばかりではないようで、クーポンを提供する企業側では、口コミサイトで悪評を
書かれて、以前より客足が遠のいてしまったり、クーポンの購入者を募りすぎた業者が、処理しき
れずに商品とは呼べないような物を提供するなど問題点もあるようです。せっかくのサービス、う
まく利用していきたいものですね。
 私としては、当事務所の所長が「確定申告50%オフクーポン、利用者1000人より!」などと、グ
ルーポンに載せないことを祈るばかりです。

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 □□今週の税金クイズ□□  
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[問題]
 税務豆知識を踏まえたクイズです。次のうち、会社の法人税額を計算するうえで会社にとって不
利な申告調整項目はどれでしょう。
①益金不算入項目
②損金算入項目
③益金算入項目

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 次のうち、消費税の課税仕入となるのはどちらでしょうか?
①出向元事業者に支払う出向社員の給与負担金
②人材派遣業者に支払う派遣料

[正解]②
 出向先事業者と出向社員との間には雇用関係があるため、出向元事業者に支払う給与負担金は出
向社員に対する給与として取り扱うため、不課税となります。一方、派遣先事業者と派遣社員との
間には雇用関係はなく、人材派遣業者に支払う派遣料は「労働の派遣」という役務の提供の対価と
なるため、課税仕入れに該当します。
 
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☆今週号の編集責任者は 宮元健志 & 中原敬和 でした。
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